独居か高齢夫婦だけで暮らす身体障害者

介護車

世界に先駆けて高齢化が急速に進む国内各地では一人で街中を自由に動き回れない高齢者が増加しています。足腰の衰えた高齢者は日常生活を送る上で身の回りのものを買ったり、公園や近所に出かけたりする際、躓いて転倒しそうになり、杖を頼りに歩くようになってきます。その上、少々危険な目に遭うと出歩くことを億劫がるようになるわけです。周囲に家族などがいれば介助してくれて出歩くことができますが、最近は一人暮らしや高齢夫婦だけの暮らしが増えています。このため、手助けをしてもらおうとすると第三者になるので無料というわけにいかず、気軽に頼めるとは限りません。そのまま何とか穏やかに生活していても身体の機能が徐々に低下して身動きが取れなくなってしまう恐れが高まるわけです。そこで、最近、身体が不自由だったり、躓きやすくなっている高齢者が街中へ出かける時に電動の車いすや三輪車など、自操式のシニアカーを利用する姿をよく見かけるようになりました。簡単な操作性が高齢者に受け入れられていて、人気があるようです。これらの福祉車両は時速6km以下で、歩道を歩行者と一緒に走れることになっています。おかげで、一人暮らしや高齢夫婦だけで暮らす身体障害者でもこのような福祉車両に乗って近所へ買い物や用事に出かけられれば不自由ながらも日常生活を続けられるわけです。

福祉に目を向けた街づくりの必要性

車椅子

一方、身体が不自由な人や歩行困難な高齢者などが自らの生活圏を広げるには、車いす毎乗せられるリフト付きやスロープ付きの福祉車両が使われています。こうした車両は介護施設や病院に配車されて利用されています。更に、タクシーや路線バスにもこうした設備のついた福祉車両が身体障害者などの日常生活に重宝がられているはずです。もちろん、移動手段の利便性が高まっただけでは目的地に着けても建物まで階段やステップなどがあれば誰かの助けなしでは建物内部へ入れません。しかしながら、街中にも身体障害者などが出入りできるよう、エスカレータやエレベータが設置され、階段部分には手すり付きのスロープなどが併設される街づくりが進められています。高齢者の増加する社会では福祉に目を向けたこのような街づくりが欠かせません。高度経済成長以後、大都市圏の再開発が地上だけの平面的なものから地下や高層ビルなど、高層化の方向に進んでいて高齢者や身体障害者には優しくない街になってしまいました。そこで、身障者福祉法などを幾度となく改正してきました。複雑化した街中にも高齢者や身体障害者が福祉車両を利用して出かけたがっているので、安心して集える空間にしようとする街づくりが進められているわけです。

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